”死が生を支える” [kazeの風景]
2010年12月19日(日)
朝マイナス2度、初氷を踏む。晴れ。
まもなく開店時間という時に車が一台入ってきた。
日本写真家連盟会員の平野さんである。
早速、庭で撮影を始めた。
本当に久しぶりの来店である。
撮影後は、モーニングを食べ、「ポロ」とトールペイントの作品を買ってくれた。
彼は「ポロ」の「まえがき」と「あとがき」を読んで
「自分も哲学を勉強したことがあり、親近感を感じるし、
妻も似たような時期に愛犬を亡くしたので、
この本を読んだらまた大泣きするかも・・・」といって帰って行った。
向かいの山並みの中腹に雲が発生し、漂っている。
そこが、暖かい空気とつめたい空気が出会う場所なのだろう。
今日のkazeは出雲の国なのだ。
山の案内をボランティアでしている方が来店。
いつもは、夕方閉店前に来店するのであるが、今日は朝に来店。
「どうしたの」と聞くと、昨夜忘年会があり、今帰り道だと言う。
山の仲間との忘年会を山でするのは、さぞかしいい雰囲気だったろうと思う。
昨日のカケスの鳴き声の話をしたら、動物の話になり、面白い経験を
話してくれた。
山で雪の降る前にカモシカの死骸を発見して、どうなるのだろうと思い
センサー付きのカメラを設置して観測することにしたという。
動物が来るとセンサーが作動して、撮影するらしい。
バッテリーは、約2週間は大丈夫だと言う。
やがて雪が降り、カモシカの死骸は雪に埋もれてしまった。
ところがある日、狸がやってきて、雪に穴を開けて出入りするようになった。
カモシカの死骸を食べているのである。
そのうち、狐もやってきて、穴を出入りするようになった。
狸と狐が出会うと狸は遠慮して、狐が去るのをまって、穴に入るという。
けんかしないのである。
狸はえらい。大人である。
ところが、その穴にカケスも来て出入りするようになった。
やがて、雪が解ける季節になり、カモシカの死骸が現れた。
が、それは、骨だけになったカモシカの姿だったという。
さらに観測を続けていたら、イノシシがやってきて、その骨を、どこかへ
全部運んでしまったというのである。
まさに「死が生を支えている」のである。
狸、狐、カケスにとっては三つ星レストランだったのでしょうね。
by 斗夢 (2010-12-22 05:06)
斗夢さんへ
「三つ星レストラン」って、発想が面白い!
そうみたいですね。
彼らには、いいレストランですよね。
by kazenotomo (2010-12-22 10:48)
自然の中の生命のことを考える機会がなくなってしまった現代社会の中で
とても新鮮な話を聴いたような気がします
今の時代、子供たちは核家族化、ゲームの世界の延長で、
生死ということを実感できないでいるようです
大人の責任なのですが・・
by COLE (2010-12-29 18:40)
COLEさんへ
子供も大人ももっと自然に積極的に接して
自然の声に耳を傾けて欲しいと最近強く思います。
ヴァーチャルな世界にのみ生きてるとロボットになるような気がします。
by kazenotomo (2010-12-31 01:41)