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2014年6月14日(土)

映画『標的の村』上映会の日も、いよいよ1ヶ月を切りました。
監督の三上智恵様から、上映会に対してメッセージをいただきました。
上映会前ですが、心のこもったメッセージを掲載しました。



          京都の「標的の村を見る会」にお集まりの皆様へ


                            「標的の村」監督 三上智恵

こんにちは。
古都のど真ん中で開催される上映会、
どんな方々が会場にいらっしゃるのでしょうか。
全国の上映会では中高年層、とりわけ還暦を超えた方々が危機感を持って足
を運んでくださることが多いようです。
しかし自主上映も5月で220か所を超えるオファーがあり、最初は少なかっ
た若い世代の観客も増えてきています。
とりわけ、京都は北部に新たなアメリカ軍施設の建設問題を抱える中で、ほ
かの地域よりも若者が活発に動き始めている様子を伝え聞き、案外、若い人
たちも会場にいらっしゃるのかなと期待しています。

 長らくアメリカの植民地同然の生活を強いられ、復帰しても今度は日米の軍
事植民地状態にある沖縄がここまでの状況にあること。
衝撃を受けられたかもしれません。
でもそれはもう沖縄の問題をはるかに超えています。
大手メディアはほかの国の暴動は伝えても、オスプレイをめぐるこのライオッ
トは伝えなかった。
国策に反対したことで5年間も「通行妨害」名目の裁判にかけられ続ける住民
のことをニュースにもしなかった。
声を上げ、意思表示をするととんでもない目にあう。
しかも報道は機能しない。私たちはとっくにそんな国の国民なのです。

国の安全保障やエネルギー政策について異を唱えるものに対し、国はなりふ
り構わず襲い掛かります。
特定秘密保護法・盗聴法の強化・共謀罪の3点セットで「ものが言えない国」
になるのは目前です。
まさか、と思っているうちにとんでもないところまで来たということ、沖縄
から全国に伝えなければという思いで映画化し、自由に発言するためにこの
春、会社を辞めました。
19年間ローカルニュースを取材し伝える中で、この手法ではもう間に合わな
いと思ったからです。

 海月ちゃんが「お父さんお母さんに代わって闘っていく」という言葉を聞い
たあの朝、1995年から17年間の報道は何の役にも立たなかったと、私の芯は
まさに「折れ」ました。
1995年と言えば、3人の黒人兵が小学校6年生の女の子に襲いかかった、あの
暴行事件の年です。
繰り返されるおぞましい事件。
もう、一人の犠牲者も出したくない。
沖縄に住む大人たちは思想信条を超えて立ち上がりました。
その怒りは大きなうねりになり、それが普天間の返還に結びついたような勘違
いで終息していった。
しかしそれは欺瞞でした。
オスプレイの配備がずっと先に決まっていて、沖縄本島で唯一軍艦が入れる深
さがある大浦湾に軍港を備えた滑走路を造る計画は、ベトナム戦争の時から出
来上がっていた。その二つが結びついただけだったことは沖縄で報道されます
が、全国のメディアは関心を示しませんでした。
いまだに辺野古の基地建設は「普天間基地周辺の危険性の除去」という政府見
解が語られ続け、全国の認識を変えられなかった。
そして17年たって、再び同じ6年生の女の子に、この島と国の不幸な関係を
丸投げしてしまった。
沖縄に生きてきた大人として頭を殴られたまま、いまだに立ち直れないでいま
す。

 無力さと絶望の中で、せめて私たちが記録したことだけでも国民に知らせる
手段はないかと考え始めました。
私が折れて倒れても、勝手に独り歩きするぐらいの力強い映像だという自負は
ありました。
映画化までは想像を絶する困難がありましたが、この映像を、放送をめぐる法
律などから自由にし、心ある人たちのもとまで届くように「リリース」したい。
それが最後の仕事になっても後悔はないと思ったのです。

 私の仕事の中で褒められるのは、その覚悟だけです。頑張ったのはスクリー
ンに映っていた県民です。
でも、想像通り、いえ、想像を超えて「標的くん」は独り歩きを始めました。
放送では顔の見えにくかった、良心的な、危機感を持って社会を見つめる方々
がしっかり「標的くん」を受け止めて大小のホールにかけてくれました。
それぞれの場でかなりの熱量の渦を巻き起こし、飛び火して、まだ広がってい
ます。

 私は意気地なしで、絶望しながら作品を仕上げました。でも不思議なことに、
見る人の中にはこの映画に希望を感じる方が少なくないようなのです。
映画作品は観客のもの。
どう感じるかは自由ですが、監督の悲観など入る余地もない、画面に映ってい
る出来事とみなさんとの出会いがあるのです。
沖縄県民の逃げない姿。
こんな状況なのに歌や踊りも飛び出すしなやかさ。目の輝きを奪われていない
子供たち・・・。
そういう存在と出会った観客が希望を語ることに、逆に私が希望をもらう始末
です。

沖縄の現状を目撃したみなさんは、埋め立てが迫る辺野古、また戦場になり
かねない沖縄を見殺しにしないでほしいというSOSをキャッチした「当事
者」になったわけです。
今、胸にある痛みが、次の状況を切り開く種です。
つぶさず一緒に育てていきましょう。


mikamitie.jpg

【プロフィール】
 三上智恵(みかみ・ちえ)
1964年東京生まれ。父の仕事の関係で12歳から沖縄に通い、成城大学で沖縄
民俗を専攻。
卒業後、大阪毎日放送入社。
1995年、琉球朝日放送の開局とともに沖縄へ移住、第一声を担当。
以来、夕方のローカルワイドニュースのメインキャスターを務めながら、数々
の番組を制作。
作品に「超古代文明は琉球弧にあった!?~沖縄海底遺跡の謎~」「検証 動か
ぬ基地 拡大版 ~沖国大ヘリ墜落事故から1ヶ月~」「海にすわる~辺野古
600日の闘い~」「サンゴが消える日」「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判」
など、受賞作品多数。
昨年12月に沖縄県内で放送した特別番組「標的の村」47分バージョンは、ギ
ャラクシー賞テレビ部門優秀賞を受賞。
これを劇場版として91分に拡大して全国で公開中。

*写真とプロフィールは、actio様からお借りしました。


        映画「標的の村」上映実施日程

  日 時:2014年7月12日(土)午後2時30分
  会 場:京都教育文化センター・ホール
     所在地:京都府京都市左京区聖護院川原町4-13(京大病院の南側)
           TEL 075-771-4221 
  入場券:前売り 800円(当日 900円) 高校生以下は、無料
  主 催:「標的の村」をみる会
  問い合わせ先:
              075-762-2438(たきた)
        mail:r9_r-2gy@js4.so-net.ne.jp
        077-521-7207(竹村)
               京都映画センター 075-256-1707
               京都教育文化センター 075-771-4221


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