故郷でのお盆に思う! [人生]
2013年8月19日(月)
久しぶりに故郷でお盆を過ごした。
お盆の期間は、僕が夕方6時、鐘楼に上り、鐘を打つ。
13日、夕日が空を染め始めるころ、
家々の門には、迎え火が焚かれる。
先祖の霊を迎えるためである。
子供たちに賑やかな話し声も、あちこちの家から聞こえてくる。
日頃、静かなこの山村が、生きがえったようだ。
僕は、ろうそく、線香、水を持ってお墓参りに出かけた。
我が家の墓地は、2か所にある。
まずは、裏山の墓地に息を切らして訪れた。
他家のお墓も含めて、数百近い墓石が並んでいる。
子供の頃は、この時間、墓地は多くの人であふれていた。
ここでご近所の家族ぐるみの交流が行われていた。
帰省してきた街に出た家族は、ここで紹介されていた。
町の話もここで聞けた。
墓地には、線香の煙が一面に広がり、
浴衣姿に団扇をもった子供たちの声で賑やかであった。
墓地は、まさに地域の交流の場でもあった。
が、今は、人影もなく、訪れた僕だけが墓地にいる。
たくさんの他家の墓地は、一部は放置され、
一部は、まとめられて積まれている。
大きな墓石に代わっているところもある。
今では、他家のこの墓地の先祖は、みんな寺の納骨堂や
家の近くに個人の納骨墓に納められて、誰も墓地を訪れない。
我が家の墓は、昔ながらの一人一墓のままである。
50ほどの我が家に墓一つ一つに線香を供える。
さわやかな風が、墓地を覆うように茂った木々の枝を揺らし
さわさわと音を立てて過ぎて行く。
耳をそばだてて、聞いていると
先祖がなにか囁きかけているような気さえする。
人の姿のない墓地は、やはり寂しい。
墓参を終えて、山を下りる。
夕焼け空が広がっている。
棚田の道を再び上り、谷向こうの丘に登る。
ここに2つ目の墓地がある。
ここに立つと我が家が眼下に一望できるのだ。
ここから遠く祖母山、傾山の頂が見える。
僕の祖父母の夫婦墓もある。
墓参りもたっぷり一時間以上かかるのだ。
墓参を終えると、もうあたりは闇に包まれていた。
16日には、再び家々の門で送り火が焚かれる。
でも、最近は多くの家で送り火は15日に行われるという。
理由は、帰省した人たちが参加できるように早めたのだという。
でもやっぱり、これもなんだか寂しい思いがする。
留守しているカフェ&ギャラリーkazeでは、
猛暑の中、浦さんが、お盆も休まず、テラスの補修に精出してくれた。
おかげで、テラスを磨き、塗料を塗ってくれて、若返っている。
昨日、畑ガールさんもkazeにやって来たという。
主が留守でも、kazeは、元気なようである。
花たちも、この雨のない日々にも、水をもらっているようで
ありがたい限りである。
支えてくださる方がいるということは、本当に幸せです。
感謝!
子供の頃のお盆を思い出しました。子供心には一大イベントでした。
座敷に盆棚を作ってお墓参りに行って迎え火を焚いて・・・。
最近お盆に帰省していませんが、同じようにやっているようです。
by 斗夢 (2013-08-23 07:30)
斗夢さんへ
故郷でのお盆の行事が昔通りに行われているのは
本当にいいことだと思います。
先祖を大事にする心を失いかねないような今日
貴重ですね。
by kazenotomo (2013-08-23 12:18)