吉村昭に取りつかれた! [kazeの風景]
2013年3月23日(土)
朝3度、曇り、のち晴れ。
外は、冬枯れの風景の広がる野辺を冷たい風が吹きぬけ、
ついでに杉花粉を巻き上げていた。
見方によっては、寂しい山里の殺風景であるが、
暖かな窓辺から眺めると、心穏やかになる風景である。
が、今日の僕は、心穏やかではない。
理由は読書にある。
吉村昭の「星と葬礼」を読んでいるからだ。
どの作品も貧困と死が立ち込めていて、救いがないのだ。
一言でいえば悲惨としかいいようのない作品である。
救われるのは、彼の作風が、
読者にとって、第三者的な視点になっているので
強烈な悲惨なところが、緩和のフィルターを通って、伝わるので
耐え難い苦痛を読者に与えないで読ませるところにある。
僕と吉村昭の出会いは、妻が彼の「破獄」を読んでびっくりし
事の次第を延々と僕に話してくれた。
それで、僕は「破獄」を読んでいないのに、
すっかり読んだ気分になってしまった。
次に妻が「破船」を読んで、またまた、読み語りをしてくれた。
さすがに、興味がわいて、これは自分で改めて読んだ。
かくして、僕らは、今、吉村昭に取りつかれているのだ。
緑が恋しい庭では、わずかながらも活気が出てきた。
キブシがつぼみをたくさんつけて、すだれを作っているし
チュウリップも花芽をだし
水仙もつぼみを膨らませている。
クリスマスローズの花も増え
トリカブトが葉を広げてきた。
日々、少しづつ植物たちが活気づく姿が楽しみである。
冬枯れの山里の谷間にあるこのkazeを訪れた人たちが
帰り際に、庭を歩き、カメラやスマホで撮影して帰るのだ。
僕らには、ありふれた風景だが、初めて訪れた人には
印象的なのであろう。
考えてみれば、かって、僕らもそうだったのだ。
周囲をそして庭を満喫して帰られるお客さんはkazeの一杯のコーヒーの香りを忘れないでしょうね。 そして他で飲んだ時も思い出すかも。
by 斗夢 (2013-03-24 05:05)
東京は桜が満開で、今日が花見のピークではないかと思われます。
kazeも春の訪れが待ち遠しいですね^^
吉村昭さん・・・覚えておきますね。
by 名犬ゴン太・・・の兄 (2013-03-24 08:44)
斗夢さんへ
そうですね。
コーヒーを飲むときは、思い出してほしいです。
kazeのコーヒーは、おいしいと定評ができつつあります。
うれしいことです。
by kazenotomo (2013-03-28 11:20)
名犬ゴン太・・・の兄さんへ
kazeも今年は、例年より開花が早いのではと期待しています。
京都の我が家の哲学の道では、桜が5分咲きぐらいになりました。
吉村昭は、小説家 津村節子の夫です。
by kazenotomo (2013-03-28 11:24)