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「ええっ!旅の途中だったのに!」 [kazeの風景]

2012年6月16日(土)

朝20度、雨。

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来店者がよく質問することに、
「道々咲き誇っておる白い花は、なんという花なんですか?」
「卯の花です」と応える。

この時期になると、ここ鯖街道沿いには、
卯の花があちこちで咲き乱れる。
まさに卯の花街道になるのだ。
わがkazeの庭にも、卯の花沢山あり、今を盛りと咲いている。

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「夏は来ぬ」の歌にあるように、夏を知らせる花である。
古来、万葉の時代から、卯の花は、沢山の歌に登場する。
日本人になじみの深い花である。

が、不思議なことがひとつある。
「夏は来ぬ」の歌詞では「卯の花の匂う垣根に」とある。
しかし、卯の花は匂わないのだ。
古来の歌にも、卯の花が匂うと歌った歌は、ないように思われる。
だから「夏は来ぬ」の「匂う」は
「匂うが如く咲き誇る」の意ではないかと思う。
   
卯の花の 過ぎば惜しみか 霍公鳥 雨間も置かず こゆ鳴きわたる
       『万葉集』 (雨の日に霍公鳥の喧くを聞く歌) 大伴家持

話は変わるが、今日小学校一年生の男の子が、姉と一緒に
祖父に連れられて来店した。
メニューを持っていくと一番にそれを取って開くなり「あった!」という。
早速、ジンジャエールの注文。
はっきりした男の子である。

で、次に笑い猫を見つけて、散々かわいがった。

妻が、安野光雅の絵本を出して、姉弟に渡した。
弟が荒っぽくページをめくるので、
姉は「だめ!」と言って、丁寧にめくらせる。

妻が絵の見方を教えると二人とも、楽しそうに絵本を見ていた。

やがて、祖父が、「そろそろ帰るぞ」と
絵本に見入っている二人に声をかけた。
すると、男の子が、大きな声で残念そうに言った。
「ええっ!旅の途中だったのに!」
思わず僕は、その子の顔を見て、微笑んだ。

そう、その絵本は、安野光雅の「旅の絵本」だったのだ。

tabinoehon-2.JPG

もう少しで、イギリスのロンドンに到着するところだったのだ。
彼は絵本の旅人になっていたのだ!
帰り際、二人は車の窓から、盛んに手を振って別れた。
なんとも微笑ましくなる姉弟であった。
おかげで、僕らも嬉しい気分になった。
ありがとう!

 


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