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ポロに捧げる鎮魂歌 [人生]

2008年5月5日 その2

ポロに捧げる鎮魂歌

お前は4月8日の朝、突然、風の様にkazeにやって来た。
雨に濡れ、やせ衰え、足をぶるぶる震わせて、
立っているのがやっとの姿で、玄関に現れた。
妻は、お前を見て、ボロボロの犬だといい、ボロと名づけた。
余りの姿に僕らは食パン厚切り4枚をお前に与えた。
お前は、必死でそれを食べた。

その日は、僕らはkazeを去る日だった。
車でkazeを出て行く僕らを
お前は、玄関に衛兵のようにお座りをして
手を振る僕らを見送った。

3日後の午後、僕がkazeに来ると、
なんとお前は、勝手口の通路から駆け出してきた。
びっくりしている僕に嬉しそうに尾を振ってついて回る。
食パンの入ったかごを見ると、くれくれとせがむ。
パンをだしてやるとお前は、フガフガ言って美味しそうに食べた。

僕らが休業日でkazeを去ろうとすると
お前は車を追いかけてきて、「置いていくな」とばかり
車の周りを吠えながら、走り回り
僕らを悩ませた。

お前は、次の週も同じように僕らを待っていた。
しかし、お前はkazeの敷地から出ることはなかった。
Kazeの直ぐ前の畑でさえ、好まず、直ぐ引き返してしまう。
まるで、kazeの敷地を知っているかのように
おまけに、時折、kazeの敷地を回り、チェックさえしていた。

お前は、僕を見ると片時も側を離れなかった。
すっかり僕になついてくれた。
僕の姿が見えないと店の周りを走り回って探したものだった。
そして、夜は、勝手口の通路を自らの住処と決めて、寝そべっていた。

僕は、そういうお前がいとおしく思えて、名前もポロに変えた。

お前が居るおかげで、今年はkazeの花々が鹿に荒らされずに
きれいな花を咲かせた。
紫陽花等も鹿のえさにならずに、元気に新芽を出した。
ここ数年、花を咲かせる前に食べられていたニワトコも
生き生きとして花を咲かせ実を付けた。
みんな、お前のおかげだと思う。

ところが3週目の金曜日
僕らがkazeに来ると入り口の鎖が断ち切られていた。
お前は、僕らの姿を見ると、玄関の床下から、よたよたと現れた。
後ろ足を引きずり、僕の前で倒れこんだ。
僕が断ち切られた鎖を修理にウエルカムロードに行くと
お前は、必死で立ち上がり、歩いて僕の後を追うが、
坂道を上がる力がない。
立ち止まって、悲しい声で「オ~~~、オ~~~」と鳴いた。
傷つき倒れても、尚、僕と共に居たいというお前に
僕の心は、お前への慈しみで震えた。

そしてまる3日間、お前は、横になったまま過ごした。
4日目に、腫れ上がった足を引きずりながら、僕の側に来た。
誠に、お前は、僕から離れたくなかったのだ!
その姿に、僕の心は、お前に占領されてしまった。
僕も、お前なしに生活できなくなった。

そして、僕は、お前と共に生きてやろうと飼い主になった。
お前は、元気を取り戻し
僕ら夫婦の会話の中心を占めた。
お前は、僕らの家族になってしまったのだ。

5月4日の夜
お前は、突然逝ってしまった!
お前が僕らの家族となったばかりの時なのに
お前と出逢って、たった27日間で
お前は、僕らを悲しませ、静かにkazeに眠った。

お前は、本当に春の風のように
僕らに温かい心を運んでくれた。
お前は、紛れもなく人生の天使だった。
僕らに生きる意味と愛する夢を運んでくれた。

僕らは、お前を偲んで、悲しみに泣いているが
決して、不幸ではない!
生きてることの喜びと悲しみを
お前は、身をもって僕らに示してくれたのだ。
お前は、かけがえのない僕らの天使だ!

ポロ!
僕らの愛の天使よ!
お前は僕らの心に生き続けている!
お前の墓標は、僕らの記念碑なのだ!
大切な、大切な記念碑なのだ!


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ビス

ボロちゃん、野良として飢えて人生を終えることよりも
マスターや奥様に愛されて、最後を迎えられただけでも・・★
by ビス (2008-05-09 09:40) 

kazenotomo

ビスさんへ
温かい励ましの言葉ありがとうございます。
by kazenotomo (2008-05-09 12:11) 

路渡カッパ

ああ、・・・・・言葉がありません。
先程更新されてのに気が付いて来てみたら・・・・・
涙があふれてなかなか読み進めませんでした。
家内に知らせるのに声を出せば号泣しそうで、指さして・・・
あんなに元気そうだったのに。逢えてよかった
頭撫でさせてくれたし・・・人なつっこく、意外と精悍な

運命だったのでしょうね、マスターや奥様との出逢いも
Kazeでの短い生活も・・・
ビスさんの仰る通り、ポロちゃん、幸せだったと思います。
お墓まで造ってもらって、マスターの全身マッサージは
してもらえなくなったけど
ずっとKazeの空気を感じて眠れるものね・・・
マスターや奥様、そして私らにとっても、
とても大切な、あたたかく良い物語、想い出を残してくれた
ポロちゃんに感謝です。合掌
by 路渡カッパ (2008-05-09 13:09) 

kazenotomo

カッパさんへ
カッパさんがポロに逢っていただいた日の夜のことで
カッパさんもポロに何かの縁があったのだと思います。
お悔やみありがとうございます。
ポロもきっと、カッパさんのこと忘れないと思います。
by kazenotomo (2008-05-09 13:30) 

タケさん

あまりに突然のことで・・・、残念です。

「生きてることの喜びと悲しみ」
そうですね。今を大切に生きることを改めて感じました。
by タケさん (2008-05-10 08:04) 

バン

ブログ読んで 涙が溢れました
命の終わり は 言葉に出来ないくらい 悲しいです
ボロボロ だったから ボロ・・・ と 命名
ボロは どんな生き方をして来た犬だったんだろう・・・?
ボロの人生 マスターさんご夫婦と出会えた27日間は
最高に 最高に 幸せだった事でしょう ネッ
片時も離れない ボロの行動から そう感じ取れます
27日間・・・ とても短い時間 だけど
ボロにとっては かけがえのない 最高に幸せな
27日間 だった事と思います・・・
どうか安らかに そっと 静かに眠って欲しいデス
そして いつも 季節を告げるKazeとなって
傍にいるヨォ~ って 教えて欲しいデスネッ

by バン (2008-05-10 19:05) 

風さん

泣きながら読みました。今も泣けてきます。kazeさんの悲しみがわたしの悲しみになって…

まるで何かに導かれたようにkazeに現れ、人生(犬生?)の最後に溢れる愛を受けて亡くなったポロ君、一度も会えなかったけど、わたしの心の中にずっと消えないでいると思います。  

ポロはきっと風になって、葛川の美しい自然のなかを吹きわたっているような気がします。
by 風さん (2008-05-10 23:36) 

kazenotomo

タケさんへ
タケさんが見守ってくれているケヤキの木も
今は、葉を一杯出して、元気でポロの墓標を見守ってくれています。
ありがとう!
by kazenotomo (2008-05-14 06:54) 

kazenotomo

バンさんへ
温かな励ましとお悔やみありがとう!
ポロと戯れた日は本当に短かったけど
光り輝くような27日でした。
ポロにただただ感謝しています。
きっと風となって、僕らのkazeを訪れていることでしょう。
実際、kazeの音に、ハッとポロが帰ってきたのではと
感じるこの頃です。

by kazenotomo (2008-05-14 06:58) 

kazenotomo

風さんへ
ノラだったポロが、ここで本当に多くの人の心に
愛の火を運んでくれた天使だったように思えます。
機会がありましたら、ポロの墓標を訪れてください。
ポロは、僕にとって本当に愛の天使でした!

by kazenotomo (2008-05-14 07:04) 

slot-777

つい涙が出てしまいました。
暖かい愛に包まれてポロちゃんもきっと幸せだったと思います!

ご冥福をお祈りします。
by slot-777 (2008-05-20 16:21) 

kazenotomo

solt-777さんへ
ポロへの涙ありがとう!
本当にポロは、幸せだったと思います。
感謝です。
by kazenotomo (2008-05-21 01:52) 

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